ボンジョルノ。早いもので、すっかりクリスマスシーズンも本格的にスタートです。
イタリアの伝統通り、我が家も昨日、クリスマスツリーを飾りました。天井まで届く大きなツリーが、これから一か月玄関を占領します。
さて、昨日は聖母マリアの無原罪の日を祝って、本格的なコンソメスープとトルテッリーニという詰め物パスタでお祝いしました。
本格的と言っても、作り方はとっても簡単で美味しいので、これからのシーズンに大活躍です。レシピをご紹介します。
コンソメスープとブイヨンとの作り方の違いは?
私が昨日作ったスープは、イタリア語ではブロード(brodo)といいます。肉類と野菜を長時間コトコト煮込んだ透明なスープです。フランス語ではブイヨン。
ところがイタリア語の辞書で日本語訳を見ると、コンソメスープ。日本ではフランス語のコンソメとブイヨンがすごく混同されているのですね。
有名な味の素のコンソメスープの素、実はブイヨンのことなのです。ただ、このインスタント食品の名前があまりにも定着してしまったので、日本ではブイヨンのことをコンソメと呼ぶようになったのだとか。というわけで、ここでもコンソメスープと呼ぶことにします。
ブロードもブイヨンも、洋風のスープの出汁です。たとえば、イタリア料理ではブロードを使ってお米を煮込みリゾットを作ります。料理の味を決めるベースとなる出汁です。
本当の意味でのコンソメは、ブイヨンをベースに味付けをした透明なスープのことです。
このほか、ゆでたお肉と野菜もスープの具として一緒に食べるものは、ポトフと言います。
イタリア風簡単で美味しい人気のコンソメスープのレシピ
【材料】4人分
・鶏の手羽肉や牛肉のかたまり肉 合計600g~800g
・玉ねぎ 1個
・にんじん 1本
・セロリ 1本
・ミニトマト 4~5個
・ニンニク 1個
・コショウ 4~5粒
・ハーブ類(月桂樹の葉、パセリなど)
・水 2l
【作り方】
1.人参は皮をむいて、半分くらいの長さに切る。セロリも、7cmくらいの長さに切る。ミニトマト、玉ねぎは皮をむいて半分に切る。にんにくは皮をむく。
2.肉は塊のまま、野菜、ハーブ類と一緒に厚手の鍋に入れる。
3.水を注ぎ、中火で煮る。沸騰したら火を弱めでコトコト約2時間。途中、水分が足りなくなるようなら、継ぎ足す。アクがあればとる。
※家庭料理では、アク取りにあまり神経質にならなくても大丈夫。
4.スープがだいぶ煮詰まって美味しくなったら、塩で味を調整。
5.スープをザルで漉して、お肉や野菜を取り除いてできあがり。
調理時間が長いけれど、やることはほとんどなし。材料をお鍋に入れてしまえば、あとはお鍋が勝手に料理してくれます。
冬の午後、スープの匂いがする台所は、すごく居心地がいいのか、子供たちも自分の部屋ではなく台所で宿題をしに集まってきます。(私はパソコンで仕事っていうのは絵になりませんが・・・)
もし、台所に2時間もいないよっていう場合は、圧力鍋が便利です。30分もあれば、美味しいスープができあがりますよ!
本物のコンソメスープは、インスタントは味も栄養分も似て非なるもの。しかも、お鍋で煮るだけで、実は2品できちゃうんです。時間がかかるようで実は時短料理。まさにスローフードの神髄です。
実際の使い方を次の章でご説明します。
イタリアのクリスマスに欠かせないコンソメスープとトルテッリーニ
イタリアでは、クリスマスの定番のご馳走のひとつが、トルテッリーニ。小さな詰め物入りのパスタです。
クリスマスのお楽しみ!トルテッリーニ
もともと、ボローニャを州都とする美味しいものの宝庫エミリア・ボローニャ州の郷土料理です。
手打ちパスタの中に、ハムなどを入れてくるりと小さな帽子状に包みます。小さな帽子という意味でカッペリーニとも言います。(パスタの呼び方については、地方によってもまちまち!)
でも作るのは、本当に大変。小さくくるりと包むので、パスタ生地がすごく薄くないと、舌触りが美味しくない。でも、薄すぎると、包みにくい、と熟練の技が必要です。
近所のおばあちゃんは、この時期からクリスマスのためのトルテッリーニを親戚みんなのために作り始めます。そして冷凍庫に入れておけば、クリスマス当日に解凍するだけだから簡単よ!
インスタント食品のトルテッリーニが大人気
残念ながら、ローマではこういうイタリア女性は、絶滅の危機。私の友人くらいの年代で、手作りしている人なんて、ほとんどいません。
今ではインスタント食品が安い値段で手に入るので、イタリアの忙しいママのお助け料理になっています。
インスタントのコンソメスープに、インスタントのトルテッリーニを入れただけで、みんな大好きなご馳走ができるんですから!しかも、値段もとても安い。
でも、こういう詰め物料理って、中に何が入っているかわからないのが怖いところです。我が家の子供たちもトルテッリーニは大好物で毎日でも食べたいので、「ママっていつも考えすぎよね」といいますが、日本でも餃子に関していろいろありましたよね。あまり頻繁には食べたくないものです。
本場のトルテッリーニには、上質のコンソメがよくあう
幸い私の義姉は毎年クリスマスのランチのために、この時期ボローニャまで買いに行ってくれるんです。しかも今年は子供たちも連れて行ってくれたので、私たちはゆっくりフロス・オレイのテイスティングにも出かけられたというわけ。
いわゆる小姑との間にはいろいろあったけど、今になってみるとやっぱり周りにいろんな家族がいるのはいいな、と、妙に達観しています。
昨日、早速買ってきてくれたトルテッリーニを夕食に食べてしまいました。せっかくのボローニャ産の高級トルテッリーニなので、スープにはホロホロ鳥を使いました。
さすがの子供たちも「スーパーのよりもすごく美味しいね!」と大喜び。実際に作業している現場も見せてもらったらしく、「昨日、作ったばっかりだって言ってた」。やっぱり、臨場感が違いますね。
毎年、クリスマスに義姉宅で食べるよりも美味しい!というのが一致した意見で、(私はにっこりだったのですが)上質のコンソメスープが、トルテッリーニの味を引き立てたんだろうと思います。(ちなみに義姉はビーフスープを作りますが、味が強すぎるのかもしれません)
ホロホロ鳥は普通のスーパーのチキンとは大違いの味。やっぱりクリスマスなどのホームパーティには、地鳥とかを使うことをお勧めします。
コンソメスープで簡単に二品作れちゃう!
では、どうやってコンソメスープで二品作れるか、ご紹介しますね。
コンソメスープの食べ方
私の実家でも、母がよく子供のころに作ってくれました。でも、それはポトフと呼ばれるお肉と野菜入りのスープです。そのため、母はごはんや他のおかずも作っていました。
一方、イタリアではコンソメスープとお肉やお野菜を別にするので、より合理的。
まずはコンソメスープにパスタを入れて、スパゲッティとかと同じようにプリモ・ピアット(第一の皿)として食べます。
ご馳走の時は、トルテッリーニのような詰め物パスタを入れて。
普段の時はスパゲッティを小さく切ったものや、スープ用の小さなパスタを直接スープに入れて茹でます。
なんてことがないパスタの料理ですが、冬の夕食にはとても嬉しいメニューです。パルミジャーノレジャーノチーズをたっぷり入れて食べるとより美味しい!
お肉や野菜のエキスがたっぷりつまった栄養満点のスープです。風邪気味の時や、あまり食欲がない時にも最適です。
茹でたお肉と野菜をソースと一緒に
コンソメスープを作った残りのお肉、これは、セコンドピアット(第二の皿)としてメイン料理に使います。
お肉もお野菜も、食べやすい大きさに切ってお皿に取り分けます。
サルサヴェルデというパセリソースや、マスタード、オリーブオイルやレモンなどで味付けをして食べます。
緑のソース(サルサ・ヴェルデ)の作り方
【材料】作りやすい分量
・イタリアンパセリ 100g
・食パン 1枚
・ケイパー 大さじ1
・アンチョビ 2枚
・ゆで卵 1個
・エキストラヴァージンオリーブオイル 50㏄
・塩、コショウ、適量
【作り方】
1.食パンをワインビネガー(分量外)を少し垂らした水で柔らかくする。
2.小さいブレンダーに、材料をすべて入れてクリーム状の混ぜ合わせれば出来上がり。
たった、これだけで茹でたお肉がぐんと美味しくなる魔法のソースです。パセリはイタリアンパセリのほうが味が優しいので、お勧めします。
コンソメスープのお肉の選び方
スープに使うお肉は、とり肉でも牛肉でも。両方混ぜると、味が複雑になってより美味しいです。
鶏肉は、手羽先などがいいお味がでます。牛も骨のついている分を使うと、より味がよくなります。
もし茹でたお肉が残ったら、それこそ、トルテッリーニの詰め物にしたり、ミートボールを作ったり、トマトと玉ねぎと一緒に煮込んだり、いろんなリメイク料理があって、簡単にできますよ。
これも、何回も作って勘を覚えるといいと思います。絶対に知ってると便利な料理です。お試しください。
まとめ
寒くなると食べたくなるあったかいスープ。その中でも基本中の基本のコンソメスープについて作り方をご紹介しました。
材料をすべて鍋の中に入れるだけ。あとはお鍋が料理してくれるので、すごく簡単です。しかも、お肉や野菜の滋味がたっぷり入ったスープは、インスタントとは比べ物にならない美味しさで栄養分たっぷり。
コンソメスープを作るのに二時間かかるけど、実際に料理することはほとんどなし。それで、メイン料理までできてしまうのですから、楽なものです。
一緒にポトフとして食べてしまうより、二皿に分かれるほうが、よりそれぞれの味をしっかり楽しめるような気がします。
ごちそうにもぴったりな上等なコンソメスープ。ぜひ、お試しください。
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