イタリアの手打ちパスタをおうちで作る!小麦粉の選び方

イタリア料理で人気な手打ちパスタ。スーパーで売っている乾燥したパスタとは違って、小麦粉と水などの材料を混ぜて作った生パスタ。美味しいですよね。

普通のいわゆる「乾燥パスタ」は、イタリアの法律で原材料はデュラムセモリナ粉100%と水のみと決められています。だから、まったくの無添加の安心食材です。(どういうデュラムセモリナ粉か、ということも問題ですが・・・)

一方、手打ちパスタはそういう決まりがないので、いろんな種類があります。特に南北に長いイタリア、地方によってそれぞれ伝統の手打ちパスタがあるんです。さらに、家庭によっても!

今回はイタリアの手打ちパスタを日本で作る場合の小麦粉の選び方についてご紹介します。

イタリアの手打ちパスタの種類

1.デュラム小麦のセモリナ粉と水

昔から良質な硬質小麦の産地、南イタリアを中心に作られているタイプ。ショートパスタの形をしていることが多いです。

おなじみの乾燥パスタと同じ原料ですね。

2.軟質小麦粉と卵

中部イタリア以北を中心にした地域でよく作られています。卵の乳化作用を利用して、家庭でも一番作りやすいタイプです。形は、ロングパスタか詰め物パスタが多いです。

3.軟質小麦粉と水

一番古いパスタの形といわれます。日本のうどんと同じで小麦粉と水だけで作られます。トスカーナのピチや、ウンブリア州のストランゴッツィ、北イタリアのブレックとかが代表的。

卵が入らないから材料が手軽で経済的ですが、こねるのにテクニックがいりますね。昔は貧乏人のパスタともいわれたようですが、小麦の風合いをダイレクトに感じられて美味しいと人気です。

ざっと3つに分けましたが、このほか、北イタリアではそば粉を使ったパスタ、トスカーナの栗粉のパスタ、最近ではファッロ(スペルト小麦)のパスタとか、小麦以外の粉を使ったパスタも人気ですが、ここでは小麦の粉について、もう少しご紹介していきます。

普通の小麦粉とデュラム小麦のセモリナ粉の違いは?


今、見てきたように、イタリアのパスタに使われる小麦は、主に普通の白い軟質小麦の粉と黄色いデュラム小麦の粉と2種類あります。

(左が硬質なデュラム小麦セモリナ粉で、右が軟質小麦粉)

白い軟質小麦の粉は、イタリア語ではGRANO TENERO(グラノ・テーネロ)といいます。

一方、乾燥パスタにも使われるデュラム小麦のセモリナ粉、黄色っぽい色の硬質小麦の粉は、イタリア語でGRANO DURO(グラノ・ドゥーロ)といいます。

軟質小麦と硬質小麦は、そもそも小麦の種類が違うんですね。

1.デュラム小麦の特徴

デュラム小麦は細長い実で、黄色っぽい色をしています。日本の小麦粉やイタリアの軟質小麦の粉のようにもともと白くないんです。だからイタリア製の市販のパスタも黄色っぽい色をしているんです。

黄色い硬質小麦は実が固くたんぱく質が多いのでグルテンが多く、水分を多く吸収します。パスタを作るのに、最適な品種です。

この硬質小麦は、暖かい南イタリアが産地なので、南イタリアの伝統的なパスタに、多く使われるんですね。

2.白い小麦の特徴

白い小麦にも、硬質小麦、軟質小麦と二種類あります。日本の強力粉は硬質小麦から作られます。

強力粉はデュラム小麦のように、たんぱくが多く粘りも弾力性も豊富に含んでいて、デンプン粒とグルテンが密着していて、粒の粒子が粗く吸水性が高いです。

軟質小麦からつくられる中力粉や薄力粉は、逆にたんぱく質含有量は少なく、粒も柔らかいんです。デンプン粒とグルテンの密着度が低いため吸水性も低いです。

一般に、イタリアでは軟質小麦を使って手打ちパスタを作ります。イタリアでも北部では硬質小麦が作れないので、軟質小麦に卵を加えて、卵黄の乳化作用を利用することで簡単にパスタを作っています。

手打ちパスタにあう日本の小麦粉は?


では、日本で手打ちパスタを作る場合、どれを使えばいいのでしょう?

まず黄色い硬質小麦は日本で手に入れるのが難しいので、イタリアの中北部のように軟質小麦粉と卵で作るのが一番な簡単です。

では、日本でいうと? ただ、イタリアでは軟質小麦を精製度合いで、00、0、1、2、全粒粉の5種類に分かれています。

ところが日本の小麦粉は、たんぱく質の量によって分類されます。

強力粉(11.5~12.5%)、

中力粉(8~9%)、

薄力粉(6.5~8%)

の3種類に分かれています。

イタリアの小麦粉と分類方法が違うので、正確にどれ、とはいえません。強いて言えば、パスタ用で売ってるのは、たんぱく質の含有量が10%くらいです。

(パスタ用の軟質小麦0、たんぱく質PROTEINは10.3gとあります。)

ということは、強力粉と中力粉の間ぐらいのたんぱく質量なので、中力粉、または中力粉と強力粉を半分づつまぜるくらいが一番近いかもしれません。ただ、個人的には日本製の中力粉がおすすめです。

小麦の粒が粉になると、どうしても酸化するのが早くなります。ですから、海を渡っってやってくる小麦粉よりも、地産地消、日本で作っているものの方が添加物が少ないはずです。

いつもお伝えしているように、イタリアの家庭料理はあくまでも家庭料理。プロの料理ではないので厳密にこれでなきゃ、という決まりはありません。

まずは一度作ってみて、何回も繰り返しているうちに、だんだん、コツがわかってきます。

イタリアのマンマたちは、「卵だって一つとして同じものはない。だから卵の量によって、小麦粉の量も、その時々で調整したらいい。」といいます。

え?、そんないい加減な、と昔は思ったのですが、本当にそのとおり。

小麦粉だって、メーカーや製品によっても違うし、その日の気温や湿度によっても左右されますから。

自分で感覚をつかむのが、一番大切なんですね。そのためには、練習あるのみです。

ぜひ、気楽に試してみてください。

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