早いもので今日で9月も終わり。イタリアも南の方では、早くも今年のオリーブオイルの収穫が始まっています。週末、アッピア旧街道を散歩した時に、公園でオリーブの木には実がたわわに繁っていました。もう、秋ですね。
昨年は残念ながら凶作で生産量が少なかったために、エキストラヴァージンオリーブオイルの値段が高騰したのは記憶に新しいところ。今年もイタリアは昨年に引き続き猛暑で、しかも、異常気象で天候不順が続いたので、オリーブの出来がどうなのかが気になるところです。
今年のオリーブオイルの収穫量予想、そしてこの秋に買いたい本物のエキストラヴァージンオリーブオイルの値段の目安についてご紹介します。
ローマの夏はアフリカより暑い!
今、話題の環境少女グレタさん。彼女のメッセージに世界中の学生たちが共鳴して、先日、地球温暖化への対策を求めるデモを行いましたね。私の住むローマでも30万人の学生たちが集結!環境問題に対する史上最大のデモを記録したそうです。
それもそのはず、ここ数年、ヨーロッパでは異常気象続き。この夏も、イタリアどころかパリやドイツでも連日40度を超える猛暑で、本当にびっくりしました。
この夏、テレビのニュースのインタビューで、ローマに観光で来たというジンバブエ在住のアメリカ人らしき人が「アフリカよりローマのほうがずっと暑い!」と答えていたのが印象的・・・アフリカより暑いって?
とはいえ、中近東原産のオリーブの木は、暑さにはとても強い植物です。暑いだけならまだいいけれど、雨が降らないのに湿度は高いのです。乾燥には強いオリーブの木ですが、じっとりじめじめの蒸し暑い気候はかなりダメージが大きいです。
また酷暑のあと、時々雷を伴う激しいスコールのような大雨が降ることも度々。まるで熱帯地方にいるかのような感覚に襲われるほどです。本当に地球の温暖化ってかなり進んでいるのかも?と心配になってしまいます。
でも、よく考えると温暖化だけじゃないのです。春先に、何度も突然の激しい雹が降ったこともありました。そのあとは、気温が急低下。まあ、とにかく異常気象が例年のことになっているところが恐ろしいですね!
イタリアの今年のオリーブは昨年比80%アップ!北から南まで状況はさまざま
結論から言うと、2019年のイタリア産エキストラヴァージンオリーブオイルは昨年比80%アップ、という見込みです。ただ昨年が記録的な凶作だったので、それでも例年に比べれば平均以下。そして今後の天候次第、というコルディレッティ(イタリア農産物生産組合)会長エットレ・プランディーニ氏の発言をANSAの農業関連のニュースで見つけました。
イタリアではオリーブ生産量の大部分を南イタリアで生産しているのですが、昨年はこの地域の生産量が壊滅状態だったために、国全体の生産量が激減したのですが、今年は回復。そのために国全体の生産量も増加しました。ただ一方で、最近人気が高まっている北イタリアのオリーブの生産量が減っているそうです。
北イタリアでオリーブって一見不思議な感じがしますが、ガルダ湖周辺をはじめとする北のオリーブオイルは、南のものとはまた違う味わいで美味しいのです。500以上ものオリーブの土着品種があるイタリアならではの、地域によるオリーブオイルの楽しみです。
オリーブオイルと言えばイタリア、というイメージもいまだに強いですが、実はここ何年もスペインにオリーブオイルの生産量世界一の座を奪われたままなのです。追い付くどころか、悲しいことに量ではどんどん差をつけられています。
DOPやIGPなどの安心の品質保証マークにも注目!
とはいえ量も気になるけれど、もっと気になるのは品質です。EUには品質認定制度であるDOP(原産地保護指定)とIGP(地域保護指定)がありますが、イタリアのエキストラヴァージンオリーブオイルはその認定数がヨーロッパで一番。DOPが43、IGPが4あります。
コルディレッティの会長も、イタリア中の40万以上もの専門的な生産者やDOPやIGPのエキストラヴァージンオリーブオイルをもとに強化していくことによって、これまでの損失を取り戻すことが必要だと発言しています。
認定マーク付きのオリーブオイルは、当然マークなしよりも値段は高くなりますが、DOPやIGPは本物のエキストラヴァージンオリーブオイルを選ぶ時の大切な目安のひとつです。DOPは生産者たち同士が自分たちのDOPブランドの品質を守るために常にチェックをしているので、偽物が入り込むのは難しいからです。
安いエキストラヴァージンオリーブオイルは別にして、イタリアでは本当に美味しいエキストラヴァージンオリーブオイルをつくるために、情熱をもって研究している生産者たちがどんどん増えているのです。
昨年、オイルの出来に満足できなかったので自分のブランドの名前を汚さないために出荷しなかった有名な生産者がいたくらいです。なんとも マニアックな世界です!
イタリアの本物のエキストラヴァージンオリーブオイルの値段の目安は?
例年より収穫量は増えているので、恐らく昨年と同様として、偽物ではない本物のエキストラヴァージンオリーブオイルの目安はいくらでしょうか。
イタリアでは、本物のエキストラヴァージンオリーブオイルを1リットル入りを10ユーロ以下で買うのは不可能だと言われています。もし、イタリア旅行の時にお土産に買って帰る場合、目安にしてください。
ただ、これは最低限の目安です。私が普段、家で使っている美味しいエキストラヴァージンオリーブオイルはだいたい500mlで15ユーロ前後です。私にとって、これまでに比べると、ものすごいプラスアルファの出費なのですが、一度、上質なエキストラヴァージンオリーブオイルを使い始めると、もう元には戻れないのです。
でも、美味しくて健康にもよくて、アンチエイジングな食べ物なんて、そうそうないので、人生の必要経費として納得の範囲です。
では、日本ではこういう上質な本物のイタリア産エキストラヴァージンオリーブオイルがいくらぐらいなのか、ネットの通販で調べてみました。
私が美味しいと思う好きな生産者のエキストラヴァージンオリーブオイルは、だいたい500mlで3500円前後、250mlで2500円前後で販売されています。
油、と思うと高く感じるかもしれませんが、このレベルなら、栄養成分たっぷりで美容にも健康にも効果たっぷりのオイルです。日本にいながら、こういう世界でトップレベルのエキストラヴァージンオリーブオイルがてにはいるなんて、本当に便利ですね。
まとめ
猛暑で異常気象続きのイタリアですが、昨年と違って、今年はまず例年に近い生産量があるようなので、一安心です。
もうじき、新鮮な出来立ての今年のエキストラヴァージンオリーブオイルが楽しめます。ぜひ、初物の上質なエキストラヴァージンオリーブオイルをお試しくださいね。