今回はDop とIgpについて、詳しくご説明します。というのも、 EU認定のDopマーク は、本物のエキストラヴァージンオリーブオイルを選ぶときの目安の一つになるからです。
Dopは簡単に言うと、特産品の産地を保証する安心の印。
イタリアのエキストラヴァージンオリーブオイルのDopの数は、ヨーロッパ中で一番多い42種類。同じ州でもいくつもDopがあって、結構わかりにくかったりしますよね。
ここでは本物のイタリア産エキストラヴァージンオリーブオイルを選びたいときに役立つDopやIgpとは何か、また、イタリアの州別Dop名をご紹介します。。
Dop、Igpってどういう意味?
DopやIgpはEU(EUROPEAN UNIONの略、日本語でヨーロッパ連合)が認定する食品の産地を保証するマークなのです。
Dopはdenominazione di origine protettaの略で、日本語では原産地名称保護制度などと訳されています。
一方、 Igpは Indicazione geografica protettaの略で、日本語では地域表示保護などと訳されていますね。
DopやIgpはワインが有名だと思うのですが、エキストラヴァージンオリーブオイルのほか、チーズ、生ハム、パンチェッタやグアンチャーレなどの肉、魚、トマトやレモンなどの農産物、パスタまで、幅広く地域の特産品に使われています。
エキストラヴァージンオリーブオイルはその数、なんと42Dop。オリーブオイルの生産量世界一のスペインが26、3位のギリシャが27であることを考えると、やっぱりずば抜けて多いですね。
DOPとは
Dopは、原産地名称保護制度の名のとおり、地元の特産品を保護するものなので、地元の材料を使って、その土地独自の製法で作られた製品にのみ認定されます。
例えば、有名なDop認定のパルマの生ハムが、パルマ地方で生まれ育った豚を原料にして、パルマ地方の伝統的な製法で作られたものであるように、Dopマークのあるエキストラヴァージンオリーブオイルは、その土地のオリーブの実を使って、その土地で作られているということを保証するものです。
偽物イタリア産オリーブオイルといって、チュニジアなどの外国のオイルが混ぜられているというニュースを目にすることがありますが、Dopマークが付いている場オリーブオイルは、そのDop生産者組合、州、イタリア、そしてEUと多くの機関を経由して検査するので、偽物である可能性は極めて低いと思います。
またDopマークの認定のためには、検査を含めて余分なコストもかかっています。そこまでして、偽物を売る人も少ない、という希望的観測です。
IGPとは
Igpは、言ってみればDopの弟分。そのためDopよりも基準が緩いです。生産地もDopよりも広く州全体に渡っていることもしばしば。生産技術のほうに重点をおいているので、その製造工程のうち最低ひとつでもその地域で生産されていれば認められます。
各Igpごとにルールがあって、例えばトスカーナIgpの場合、オリーブの実の生産地はグロッセート州、マッサ・カラーラ州、アレッツォ州、シエナ県、フィレンツェ県、ピストイア県、ピサ県、リボルノ県、プラート県、ルッカ県のいずれかであるかという点とオリーブの実の品種も決められています。
州別のDOPエキストラヴァージンオリーブオイルリスト
シチリア州(6)
- Monte Etna
- Monti Iblei
- Val di Mazara
- Valdemone
- Valle del Belice
- Valli Trapanesi
プーリア州(5)
- Collina di Brindisi
- Dauno
- Terra d’Otranto
- Terra di Bari
- Terre Tarentine
カンパーニャ州(5)
- Cilento
- Colline Salernitane
- Irpinia – Colline dell’Ufita
- Penisola Sorrentina
- Terre Aurunche
ラツィオ州(4)
- Canino
- Colline Pontine
- Sabina
- Tuscia
トスカーナ州(4)
- Chianti Classico
- Lucca D.O.P.
- Seggiano D.O.P.
- Terre di Siena
アブルッツォ(3)
- Aprutino Pescarese
- Colline Teatine
- Pretuziano delle Colline Teramane
カラブリア(3)
- Alto Crotonese
- Bruzio
- Lametia
エミリア・ロマーニャ(2)
- Brisighella
- Colline di Romagna
バジリカータ(1)
- Vulture
フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア(1)
- Tergeste
リグーリア(1)
- Riviera Ligure
ロンバルディア(1)
- Laghi Lombardi
ガルダ湖(※いくつもの州にまたがっているため)(1)
- Garda
マルケ(1)
- Cartoceto
モリーゼ(1)
- Molise
サルデニア(1)
- Sardegna
ウンブリア(1)
- Umbria
ヴェネト(1)
- Veneto
州別のIGPエキストラヴァージンオリーブオイルリスト
- Carabria
- Marche
- Sicilia
- Toscana
まとめ
偽物イタリア産エキストラヴァージンオリーブオイル対策にDopとIgpについてご紹介しました。
同じ州でもいくつものDopがあるのは、それぞれのDopでオリーブの品種などに違いがあるからです。オリーブの歴史が長い地域ほど、Dopの数も多いですね。
Dopがついていれば、本物のエキストラヴァージンオリーブオイルである可能性が高いけれど、あくまでも希望者の申請によって成り立っている制度です。このマークがついていなくても、もちろん、優秀な本物のエキストラヴァージンオリーブオイルをつくっている生産者もたくさんいることを、お忘れなく。
あくまでも一つの目安としてご利用ください。