ボンジョルノ。
先日のグレープシードオイル(オメガ6系オイル)に続いて、人気の亜麻仁油とえごま油(オメガ3系)についても調べてみました。
オメガ3系の亜麻仁油、えごま油とオメガ9系のオリーブオイルと特徴と効果を比較しました。
特に生で食べるには、どちらが適しているのか、おすすめの食べ方をご紹介します。
亜麻仁油とえごま油の違い!
最近、頻繁に目にすることの多い亜麻仁とえごま油。
日本では、つぎつぎと体にいいものが紹介されるので、ついていくのが大変です。
イタリアは食に対して保守的なので、日本の情報社会にはいつもびっくりします。
亜麻仁油って?
亜麻仁油は、亜麻の種から採れる油。
亜麻というとリネンですね。
リネンをよく使ってきたイタリアでは、昔から亜麻仁油はサプリメントのような感じで体にいいと言われてきました。
日本でもフラックス・シード・オイルという言い方のほうが一般的なくらい、国産は北海道のみなのですね。
えごま油って?
実はえごま油は、最近まで私は知らなかったオイルです。
シソ科の植物と聞いてびっくり。ゴマかと思ってました。
しかも、えごま油は日本の本家本元の油。
菜種油が使われ始めた中世よりずっと前から、油と言えば、えごま油だったとか。
いくつになっても、知らないことばかりです。
亜麻の種とえごまの種、原料は違うけど・・・
亜麻仁油もえごま油も原料は違うけど、成分はよく似ています。
どちらもαリノレン酸という脂肪酸の成分を、50%以上含んでいるのです。
このαリノレン酸を多く含む油はオメガ3系と呼ばれていて、昔から体にいい油として有名です。
このオメガ3の油は、必須脂肪酸と言って、体の中で自分で作ることができないために、食事で取らなければならない油です。
だから、亜麻仁油もえごま油も、体にいい油として注目されているんです。
亜麻仁油とえごま油、オリーブオイルとの違い
どれも体にいいと言われるオイルですが、どう違うのか説明します。
亜麻仁油やえごま油のようにαリノレン酸を多く含むオメガ3オイルは、グレープシードオイルなどのオメガ6オイルと同じグループに属しています。多価脂肪酸と呼ばれます。
一方オリーブオイルのようにオレイン酸が多く含まれるオメガ9系のオイルは、一価脂肪酸です。
言葉で聞くとわかりにくいけれど、脂肪の分子構造によって、一価か多価か決まります。
なので同じ植物から作られるオイルと言っても、構造的には全く違うので、特徴も効能も変わってきます。
脂質1gあたりの脂肪酸の成分表(単位mg)
飽和脂肪酸 | 一価脂肪酸 | 多価脂肪酸 | |
亜麻仁油 | 8.1 | 15.9 | 71.1 |
エゴマ油 | 7.6 | 16.9 | 70.6 |
オリーブオイル |
13.3 |
74.0 | 7.2 |
グレープシードオイル | 10.9 | 17.8 | 63.6 |
脂肪総量100gあたりの脂肪酸(単位:g)
|
オレイン酸 | αリノレン酸 | リノール |
亜麻仁油 | 15.9 | 59.5 | 15.7 |
エゴマ油 |
17.6 |
61.3 | 12.9 |
オリーブオイル | 77.3 | 0.6 | 7.0 |
グレープシードオイル | 19.1 | 0.5 | 68.4 |
出典:文部科学省日本食品標準成分表より
亜麻仁油とえごま油、オリーブオイルの特徴と効能
亜麻仁油とえごま油の特徴と効能は?
亜麻仁油とえごま油、つまりオメガ3系のオイルの特徴は、常温では液体状をしていて、安定性が低く酸化しやすいことです。
熱を加えると、すぐに劣化してしまいます。
こう聞くとなんだかよくないオイルのようですが、オメガ3系オイルに多く含まれるαリノレン酸は、すごい働きをするのです。
それは、体内で ドコサヘキサエン酸 や エイコサペンタエン酸 に変化するということ。
イワシやサバなどの青魚に含まれる有名な ドコサヘキサエン酸 (DHA)や エイコサペンタエン酸(EPA)について聞いたことがあると思います。
DHAもEPAも頭の働きをよくするので、青魚を食べたほうがいいというあれです!
そのために今、魚をあまり食べない人は、かわりにαリノレン酸のオイルを取るべきだ、と言うのです。
なんといっても、必須脂肪酸ですよ。
オメガ3系の油は、油なのに血液の流れをよくして、脳卒中や心筋梗塞を予防したり、血行をよくするので、肌の新陳代謝ををよくしてむくみを防ぐ、などなど、体によい効能がたくさんあります。
アレルギー予防やうつ病などにも効果があるともいわれます。
植物オイルはたくさんあるけど、体に必要なオメガ3系の脂肪酸を多く含むオイルがアマニ油とエゴマ油なのです。
オリーブオイルの特徴と効能は?
ここでは、オリーブオイルと言ってもエキストラヴァージンオリーブオイルの特徴と効能をお話ししますね。
エキストラヴァージンオリーブオイルのオメガ9は、オレイン酸が約70%含まれています。
オレイン酸の特徴は、リノール酸やαリノレン酸と違って、とても安定していて酸化しにくいということです。
つまり、加熱にも強い油です。
オレイン酸は必須脂肪酸ではないけれど、アメリカ食品医薬局(FDA)にも、1日スプーン2杯のエキストラヴァージンオリーブオイルの摂取」を推奨されるほど、健康にいいことが証明されているオイルです。
悪玉コレステロールと言われる血中コレステロール値(LDL)だけを低下させる働きがあるので、心臓病の疾患に効果があると評価されたのです。
(グレープシードオイルなどのオメガ6系オイルは、悪玉だけではなく、善玉のコレステロール値も低下させてしまうという問題点があります)
また脂肪以外に、ポリフェノールを多く含むので、抗酸化や抗炎症、抗菌効果など、たくさんの体にいい効果があると検証されています。
2011年に欧州食品安全局(EFSA)は、オリーブに含まれているポリフェノールのオレウロペインは抗酸化作用があって、血中コレステロールから体を守る、と発表しています。
古くは地中海ダイエットとして、心臓病の疾患に効果があると言われたオリーブオイルですが、次々と多くの学者が、エキストラヴァージンオリーブオイルについて体にいい効能について研究しています。
亜麻仁油とえごま油、オリーブオイルの美味しい食べ方
ここまで見てきたからには、もうおわかりでしょう。
酸化に弱いオメガ3系のアマニ油とエゴマ油は、火を使わずに生で食べることが絶対の条件です。
サラダなどにかけて、生のまま食べましょう。
逆に、オリーブオイルは酸化しにくいオイルなので、加熱しても大丈夫です。
人によっては、オリーブオイルは加熱用のオイルだというくらいです。
でも、ポリフェノールは熱で大切な成分が失われるので、生でも食べたいオイルです。
特に、多くの植物性オイルが種から作られるのに対して、実をしぼって作られるオリーブオイルは、オリーブならではの香と風味が特徴ですから、生のまま楽しむことができます。
品種によって味や香りが違いますから、お料理の上から生のままかけて、お料理との味のバランスも楽しめますよ!
まとめ
人気の亜麻仁油もえごま油も、オメガ3系脂肪酸という体にいいオイルです。
必須脂肪酸ですから、お魚を食べない人は積極的に取りたいですね。
ただ、酸化しやすいので、絶対に生で!
同じように体にいいエキストラヴァージンオリーブオイルは、同じ植物油でもオメガ9系と全く別で、安定していて加熱にも強いオイルです。
オメガ3は絶対に生で、オメガ9は生でも加熱にも、という使い方を間違えないようにしてください。
あと、ここでは触れませんでしたが、どういう作り方をしているかも大切なポイントだと思います。
身体にいいからと食べるものは、なるべく自然に作られた身体に優しいものをとりたいです。
そのためには、商品を買う時は必ずラベルの表記を確認する癖をつけてくださいね。
ということで、今回は人気の亜麻仁油とえごま油、そしてオリーブオイルの効能や特徴を比較してみました。
参考になれば幸いです。
どうぞよい1日を!
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