ボンジョルノ。
3月8日の女性の日に書きたかった話題だったのですが、少し遅れて・・・
最近は日本でも、夫婦別姓を求める動きが大きくなってきているようですね。
イタリアは、基本的に夫婦別姓です。
結婚してから数えてみると17年目。結構長い夫婦別姓歴ですが、個人的には困ったことが全くありません。
イタリアの事情をご紹介します。
夫婦は別姓、子供は夫の姓
「夫婦は別姓なのはわかるけど、子供はどうするの?」と聞かれることがありますが、子供は原則、夫の姓です。
フランス人の友人に、「イタリア人って男性社会よね。子供が夫の姓なんて」と言われてびっくりしたことがありました。
「日本は女性も夫の姓に変わらなきゃいけないから、イタリアでもすごいと思う」と答えたら、「それでいいの?」と聞き返されました。
フランスはどちらでも選べるんだそうです。
我が家の子供たちに関してはハーフなので、日本のパスポートは私の苗字です。日本政府は戸籍制なので、戸主は私で、子供たちは私と同じ苗字なのです。なので、子供たちは苗字を2つ持っているという感覚のようです。
私の夫は日本に帰化しているわけではないので、戸籍に私の夫として名前が記載されているだけで、子供たちに戸籍上、苗字を与えることができないのです。苗字は戸主とみんな一緒ですから。
こういう日本独特の事情が、日本人妻を持ったイタリア人のご主人には理解できないようで、評判が悪い日本の法律です。
私の夫も、離婚した時のために、子供の日本名を私の苗字にしていると思っていたようです。
実際は、パスポートに私の苗字のあとに、( )付きで彼の苗字を登録できるので、今はそうしています。
ただ、離婚すると、本当に問題に。
両親が離婚して、母親に育てられても父親の姓。以前、知り合った女の子は、父親が一銭も払ってくれず、母親が一人で大学卒業までがんばってくれたそう。
卒業した時に母親が、あなたの名前にあの人の苗字がついているのが、本当に苦痛だった、と言われ、裁判所に行って、変更手続きしたそうです。
これは、本当に嫌ですよね。
家族で自分だけ苗字が違う!問題は?
というわけで、家族の中で私だけ苗字が違います。
「困らない?」と日本の友人に聞かれたことがありますが、困りません。
だって、家族全員で同じ苗字を名乗らないければならない機会は、皆無です。
レストランを予約するときは、私のでも夫のでも、別にどっちでも大丈夫。身分証明書を出すわけではないので、その名字を名乗ればいいんです。
ホテルだって、夫婦のうちのどっちかの苗字ですから、問題なし。
病院に子供を連れて行って、夫の苗字で呼ばれたら、「はーい」って返事をするだけです。
近所のおじさんに、夫の苗字で呼ばれても、私のことだとわかるから返事をするだけ。
まったく問題なし。
表札には、私の苗字と夫の苗字が並んでいます。私の友人は相手の両親と同居しているので、彼女の姓と相手の姓、そして義母の姓と、三つ並んでいます。
仕事では、夫は関係ないので、まったく問題なし。
私が日本でOLしていたころにも、すでに仕事のできる先輩の間で、旧姓のままお仕事されていた方もいらっしゃいました。
実際、仕事をしていると、姓が変わることによるデメリットが多すぎますよね。
夫婦同姓希望なら、手続きができる
でも、当時の先輩の中には、取引先にいちいち「結婚したんです」と連絡を入れて、新姓に変えた方ももちろんたくさんいらっしゃいました。
変えたい人も、変えたくない人も、好きに選べるのといいですね。
イタリアは希望すれば、夫の苗字に変えることもできます。
知り合いではいませんが、そういう人もいるそうですね。
私も旧姓のままで日本姓なので、夫がイタリア人だというと、日本の方にびっくりされることがよくあります。特に年配の男性に。
でも、別に問題ではないですね、説明するだけですから。
夫婦別姓のまとめ
日本でも、夫婦別姓に向けて頑張っている方が多いのに、なかなか選択制にならないのはどうしてなんでしょう。
個人的には、本当に全く問題はありません。何が問題なのかもわかりません。
クレジットカードやパスポートの名義変更がなかった分、すごく楽だったくらいです。
イタリア式に子供は、原則的に男性の姓にするのであれば、男性主義(?)の方にも大丈夫なのではないでしょうか?
どっちか、ではなく、どちらでも選べる、というのが何でも理想ですよね。
私は別に夫婦別姓派ではなく、イタリア人と結婚したために結果的に別姓になったのですが、今、この年になって思うと、自分の家族の苗字を名乗れるのはいいな、と思います。
これは結婚した相手との家族との問題が薄くなるとか、そういうこととは関係ありません。
何と言っても、イタリアは家族主義ですから。
日本もマイナンバーなどの普及で、どんどん変わっていくとは思いますが、早く選べるようになるといいですね。
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