コロナウイルスと旧正月とイタリアのカーニヴァル

コロナウイルスと旧正月とイタリアのカーニヴァル

ボンジョルノ。

もう2月。日本では節分まで終わったなんて、時間のすぎるのが早すぎます!

ところで、もうすぐイタリアはカーニヴァルの季節です。

特にヴェネツィアのカーニバルは有名ですよね。

いつももの凄い数の観光客で、半年前に予約しないとホテルが取れないというほど人気のヴェネツィアのカーニバルですが、今年はコロナウイルスの影響で、ホテルなどの予約にキャンセルが続いているそうです。

イタリアのコロナウイルスの状況についてご紹介します。

コロナウイルス対策でイタリア中国便、全便欠航!

イタリアは、中国人にとって人気の国だそうです。ここ数年は、どこに行ってもイタリア人の団体ツアーの姿を見ないことはないほど。

しかも、今年はイタリアと中国の国交50周年を記念するイベントが多数用意されていて、本来なら中国との蜜月関係を強化したいところです。

ところが、武漢からの団体旅行でローマに滞在中の60代の夫婦がコロナウイルスに罹っているとわかったとたん、コンテ首相の思い切った対応。

イタリアと中国の飛行機を即時、全便欠航。

しかも4月末まで、と早くも1月末の段階で表明しました。

そのため、イタリア旅行中の中国人観光客や、中国に旅行中のイタリア人が帰国できなくなってしまったにもかかわらずです。中国に旧正月で帰省していた中国人も、イタリアに戻れなくなりました。

それよりも、中国との行き来を絶って、ウイルスの流入を防ごうという思い切った作戦に出たのです。

コロナウイルスの恐怖から中国人街に閑古鳥

コンテ首相の決断は、ちょうど中国の旧正月の直前でした。

本来ならイタリアに住んでいる中国人たちが、中国人街で旧正月のイベントを開くところです。

毎年、イタリア人にも注目されるようになってきたイベントだったのに、今年はすべて中止になりました。

そしてイベントが中止になっただけではなく、中華料理レストランもいつもの半分以下のお客さんしか入らない状態です。

さらに、旧正月が明けた後の今週からは、旧正月で中国に帰省していた中国人の子供たちに対して、自宅待機を求める要請があちこちで起きています。

実際に、いじめられたりすることもあるとかないとか・・・

私たち在伊日本人も同じアジア人なので、悲しいことに街の中で人々の視線をすごく感じます。何も悪いことをしていないけど、負い目を感じてしまいます。

武漢から帰国のイタリア人も全員2週間隔離

でも、イタリア人も中国だから差別というわけではなく、ウイルスの拡散を防ぐために中国からの人に動きをブロックする、というわけです。

別にイタリア人をかばうつもりはないけれど、ここできちんと頑張らないと、どんどん拡散するばかりなので、当然と言えば当然です。

武漢に住んでいたイタリア人で帰国を希望した56人が昨日、軍用機で帰国しました。全員、陰性反応だったのですが、イタリアで待っていた家族とも全く会えず、そのまま、軍の施設に完全に2週間隔離されるそうです。

日本のニュースを見ると、帰国者の記者会見とかありましたが、イタリアでは完全に隔離です。

かわいそうなのは、一人だけ37.7度の熱があったために、チャーター便に乗れなかった17歳の学生がいたんです。結局、陰性反応が出たのですが、今も中国に残されてしまったんです。気の毒でしょうがない・・・

というような対応を見ていると、イタリア人に対しても結構厳しい対応を取っていると思います。

ヴェネツィアは入国待機の歴史がある街

イタリア人って普段いい加減なのに、こういう時には厳しい対応をするんだな、なんてびっくりしてたのですが、地中海に浮かぶ半島で、大昔からいろんな人が行き来してきた国だからなのですね。

カーニヴァルで有名なヴェネツィアも、その昔、ヴェネツィア共和国だったころ、必ず外国からの船でやってくる人に、入国前の待機期間を設けていたそうです。

今回の2週間の待機の措置にも、イタリア語でクアランテーナという言葉があります。これは、ヴェネツィアの言葉で40日を意味します。ヴェネツィア共和国時代は40日間待機しなければならなかった、ということから来てるんです。

観光客でにぎわうヴェネツィアのカーニヴァルは、ヴェネツィア共和国時代の雰囲気を再現した世界で唯一の幻想的な雰囲気が人気なのですが、今年は本当にどうなってしまうんでしょうね。

行けるものなら行きたいけれど、それでも、コロナウイルスの今、人が多く集まるところには怖くて行けない、と思ってしまいます。

そして逆に私も中国人だと思われて警戒されるかも、と思うと余計嫌です。

今、世界中の人が気軽にあちこち移動しますが、人が移動するってやっぱり危険と言えば危険なんですよね・・・

コロナウイルスとヴェネツィアのカーニバルのまとめ

なんだか、とりとめなく書いてきましたが、イタリアはコロナウイルスに対してすごく神経質になっています。

ウイルスの拡散を防ぐためには、一番大切なことなんですが、同じアジア人として結構きついです。

一日も早く特効薬が見つかって、ウイルスが終焉を迎えることを祈るばかりです。

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