ボンジョルノ。
いよいよ、ローマ法王が日本へ来日ですね。
このアジア歴訪、どういうものをお召しあがりなのでしょう。パスタも持参しているのかな、なんて映像を見ながら、余計なことを考えています。
というのも、法王もイタリア系のアルゼンチン人。イタリア人にとって、パスタはなくてはならない食事の基本なんです。
というわけで、今日はイタリア料理に欠かせない、パスタの美味しいゆで方についてご紹介します。
イタリア人はアル・デンテにゆでる、というのを聞いたことがあると思います。少し中に芯が固く残っているような茹で具合をイタリア語でアル・デンテ(al dente)といいます。
パスタを食べると太る、といまだに思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、そんなことはないんです。
しかも、アル・デンテに茹でたほうが、ずっとダイエットには最適なんです。
その理由をご紹介します。
パスタのイタリア流美味しいゆで方
イタリア料理の中心をなすパスタ。日本の食生活にもすっかり定着してますね。でも、ここでパスタについて復習しましょう。
イタリアのパスタと日本の麺類の違い
パスタは、そうめんやうどんと同じ麺類なのですが、ご存知のように別なものです。
パスタは日本の麺類と違って、デュラム小麦という硬質小麦を粗く引いたセモリナ粉を使った乾燥パスタです。中には塩も入っていない、小麦粉100%。
デュラム小麦が普通の薄力粉とどう違うかというと、粒が固くてたんぱく質の含有量が高いことです。
(ちなみに、イタリアで焼きそばを作る時は、安物のたんぱく質の含有量が少ないメーカーのものを使うといいといいますが、まさに、これですね)
デュラム小麦は、たんぱく質が12%以上、普通の薄力粉は8.5%以下といいますから、かなり違いますね。
乾燥パスタの起源は?最初に茹でて食べたのはどの民族か?
パスタの発祥については、いろんな説がありますね。古代ローマ人も食べていたとか、いや、マルコ・ポーロが中国から持ち帰ったから、中国が起源だ、とか。
あるいは中東のアラビア人が、シチリアを経由してイタリアに持ち込んだとか・・・
まあ、今さらパスタの起源は永遠の謎なので、置いておいて、はっきりとわかっている乾燥パスタについてご説明します。
乾燥パスタは便利な発明品!茹でるだけで、すぐに食べられる!
その昔、パスタと言えば手打ちパスタ。毎朝、イタリアのマンマは家族のために手打ちパスタを毎日作っていたそう。
この前、現在80歳になる娘の友達のおばあちゃんも、「子供のころは私のおばあさんが、毎朝、親戚分の手打ちパスタを作っていたものよ」なんて言ってました。恐るべきおばあさん!
乾燥パスタは、12世紀ごろにはシチリアで発達したようですが、18世紀後半のカンパーニャ州で今のような形になりました。
ナポリで有名なカンパーニャ州は、輝く太陽と海から風が吹いていて、そしてヴェスヴィオ山からのきれいな水が豊富。おまけに小麦の産地であるイタリア南部に近い、という好条件がそろっていたのです。
今でもパスタの発祥の町として有名なグラナニャーノ(Gragano)を中心に、パスタの工場がたくさん作られていました。
ヴォイエッロ(Voiello)とかガローファロ( Galofaro)とかは、そのころからのメーカーなんです。すごい老舗ですね。
とはいっても、ローマで乾燥パスタが普通に食べられるようになったのは、20世紀になってからだそうです。意外と遅い!便利な工場製品だから、最初は高価だったのでしょうか?
毎日、家族のだれか(たいてい、女性)が朝作っていたことを考えると、お湯に入れたら食べられる乾燥パスタって、すごく便利ですよね。
本場の美味しいパスタのゆで方!アル・デンテなら痩せる効果も
では、パスタのゆで方です。
日本の麺類に比べてとても簡単なので、覚えてくださいね。
パスタを茹でるのに必要な材料と分量
まず、パスタの量は、基本的に一人80g~100g。
パスタ100gに対して、水1リットル、塩10gです。
ただ、注意してほしいのは、塩分はよくないと思って塩分を控えるのは絶対にNGです。茹でる水にしっかり塩分が入っていれば、浸透圧が高まってパスタが締まってしっかりとした茹で加減です。
日本の麺と違ってパスタには塩分が入っていないし、茹で上がった時にお湯から出して水分を切るので、そんなに塩分は心配しなくて大丈夫です。気になるなら、パスタソースで塩分を調整したほうがいいですよ。
もちろん、パスタの種類によっても塩分は違います。太めのパスタで茹で時間が長いと塩分がしみ込みやすいので、その場合は薄めに。逆に茹で時間が短い場合は、少し濃いめに。好みの塩加減で、大体8~12gの間で調整するといいと思います。
何度も作って行くうちに、毎回計らなくても感覚でわかるようになりますが、最初のうちは計って、だいたいの量を感覚で覚えてください。
この感覚が大切なんです。何度も同じ料理を作って、自分なりの完成した料理を作ってしまえば、毎日の食事作りがすごく楽になりますよ!
超簡単な本場のパスタのゆで方
では、先に紹介した材料を用意します。
1.大きな鍋に水を入れて火にかけます。火にかけている間は蓋をしてもOKです。
2.水がゆだったら、塩を入れる。塩は水から入れるのはNG.塩水は沸点が高いので、茹るまで時間がよりかかります。
3.塩を入れたら、パスタを入れます。スパゲッティなら、ぐるりと広がるように。
4.入れたらすぐに、パスタ同士がひっつかないように、木べらでかき混ぜます。
5.パスタの茹で時間は、商品によって違うので、必ず袋に書いてある茹で時間を参照すること。
※水の量や温度にも影響するので、必ずタイマーで計って時間を確認する。あと、古いパスタは、茹でるのに時間がかかるので、ご注意ください。
6.茹で上がったら、まず、一本取り出して食べてみます。歯で噛んでみて、中心に少し芯が残っているくらい、アルデンテな茹で具合で出来上がりです。
少し硬いかな、と思っても、スパゲッティはソースを和えたり、食べている間にどんどん柔らかくなるので、心配しなくても大丈夫ですよ。
これも何回か意識してやっているうちに、わかってきます。なんでも繰り返しが大切ですね。
どうしてアルデンテに茹でたほうがいいの?
イタリア人が大好きな茹で加減アルデンテ。これには理由があるんです。
まず、少し芯が残っているので、きちんと噛んで食べます。日本の麺のようにつるつるすすって飲み込むのとは違います。
硬質な固い小麦、デュラム小麦をアルデンテにゆでて、しっかり噛んで食べるのは、ご飯をしっかり噛んで食べるのと同じくらい大切です。
しかもパスタはご飯やパンより、ゆっくりと時間をかけて消化されるので、血糖値の上昇が緩やか、ということが確かめられています。
※「血糖値」は、血液中のブドウ糖の濃度です。パスタを食べると小麦粉のでんぷんがブドウ糖に分解されて、腸から吸収されると血糖値が上がります。
そして血糖値が急激に上がると、血糖値を下げるためにインスリンというホルモンが分泌されますが、インスリンがむやみに分泌されると、脂肪が合成されるのです!つまり、肥満。
少しややこしい話ですが、血糖値がゆっくり穏やかに上昇するアルデンテなパスタは、逆にゆっくり消化されてブドウ糖に変わるので、エネルギーを長時間にわたって持続できるのです。つまり、腹持ちがいいんです。
たしかに、パンやうどんは、すぐにお腹がすくけれど、アルデンテなパスタをゆっくり噛んで食べると、腹持ちがいいので、余計な間食をしなくて済むというわけです。ダイエットをしていても、していなくても、アルデンテがいいのは、このためです。
アル・デンテって、別に味の好みの問題ではなくて、栄養的にきちんと理由があったんです。
明日から、パスタはアルデンテですね。
まとめ
お湯で10分くらい茹でればすぐ食べられる乾燥パスタは、言うなれば歴史のあるインスタント食品ですね。それも、化学調味料、塩まで一切入らない自然な食品です。
美味しくゆでる方法もいたって簡単。
パスタ100gに水1リットル、塩10gが目安という覚えやすい数字なのもありがたい!
忘れてはいけないのが、絶対にアルデンテにゆでること!
しっかり噛んで美味しくヘルシーに食べましょう。
お役に立てれば幸いです。
どうぞよい一日を!Buona Giornata!
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