ボンジョルノ!先週末、久しぶりに「真実の口」へ行ってきました。
言わずと知れた大ヒット映画「ローマの休日」でオードリーヘップバーンとグレゴリー・ペックが真実の口に手を入れるシーンで、世界中に有名なあの真実の口です。サンタ・マリア・コスメディアン教会にあります。
でも、実は意外と場所がわかりにくい「真実の口」。ここでは、行き方や営業時間、そして「真実の口」って何?という方のためにも説明します。
数年前、有料になりましたが、現在は「金額自由の寄付」だけに戻ってます。ぜひ、ローマの思い出に行ってみましょう!
真実の口で「ローマの休日」記念!オードリー・ヘップバーンごっこを楽しむ!
ローマに行くなら、絶対に見ておいてほしい「ローマの休日」。全編オールローマロケで撮影された永遠の名作。1953年というので、今から60年以上も前の映画ですが、主役のオードリーヘップバーンがちっとも古くさくなく美しい!
映画「ローマの休日」って?
個人的なことですが、「ローマの休日」は私の大好きな映画。何回見たかわからないほど。ここで簡単にストーリーをご紹介しますね。
オードリー・ヘップバーン扮するのは、とある国の王女様。彼女はヨーロッパ諸国へ周遊の親善旅行の最後にイタリアへ。内心、王女としての任務をつまらなく思っていた彼女は、ある夜、ローマの宿泊先から脱出します。
そこで偶然、借金だらけのうだつのあがらないアメリカ人新聞記者(グレゴリー・ペック)と出会います。実は彼女がアン王女だとわかった彼は、王女様のスクープ写真を撮るために、ローマのあちこちへ案内して密かに写真を撮ります。ところが・・・
ウソを重ねたローマの休日で真実の口へ手を入れる
真実の口には、「嘘をついている人が手を入れると、手が食べられてしまう」という伝説があります。この伝説を、ローマの休日では上手に使っています。
王女という身分を隠しているオードリー・ヘップバーン。王女だという事実を知っているのに、知らないふりをしているグレゴリー・ペック。
嘘をついている二人が、真実の口に手を入れるときの名演技。しかもグレゴリー・ペックは、とっさにアドリブも加えているので、オードリーの自然な驚きの表情がなんともかわいらしい。まったく、名作です!
このオードリーヘップバーンとグレゴリー・ペックごっこをするために、世界中から観光客が集まるんですから、すごいですよね。時間を超えたインフルエンサーです!
真実の口の伝説って、浮気が原因?
では、ここでいよいよ「真実の口」について、ご説明します。
直径1.5メートルくらいもある大きな丸い大理石に目と鼻と口の穴があけられ、ひげや髪が彫られている真実の口。ここに描かれている顔は海の神様とも、河の神様だとも諸説あります。実はこれ、古代ローマ時代の仮面なんです。
今から2000年以上も前の古代ローマ時代には、すでに上下水道がありました。この仮面は下水管のふた、つまりマンホールのふたのようなものだったと言われています。
その後、中世になると「嘘を言った人がこの口に手を入れると、手を食べられてしまう」という都市伝説が生まれます。言ってみれば、ウソ発見器のようなものですね。
その嘘というのが、夫、または妻が、相手が浮気していないかを確かめるためだったいうのですから、何ともイタリアですね!
真実の口があるサンタ・マリア・イン・コスメディアン教会
ちょっと意外な気がしますが、真実の口は、教会の壁についています。
写真を撮るには一列に並んで!
真実の口があるのは、サンタ・マリア・イン・コスメディアン教会。6層もあるロマネスク様式の高い鐘楼が目印です。
正確に言うと、教会の前にある屋根付きのポーチの左端の壁にはめ込まれています。
(コスメディアンというのは、ギリシア語で「装飾」を意味します。真実の口で装飾したのかと思ったのですが、違うようです。)
ローマの休日の映画のころは、教会の前ですから、自由に手を入れに行けたのですが、今はきちんと順番よく並べるように、ポーチの前に柵がついているので、きちんと一列に並んで待ちます。
そのために、実は「えっ?映画のシーンのイメージと違う」、という印象があるのですが、しょうがないですね・・・
サンタ・マリア・イン・コスメディアン教会の歴史
真実の口がこの教会に設置されたのは、1623年。今から400年以上も前のことですが、この教会の建設が始まったのは、7世紀。何回も修復を繰り返していますが、とても歴史が古い教会です。
写真を撮ったら、すぐに教会内部を素通りして出ていく人も多いですが、せっかくだから、ちゃんと中を見ていってくださいね。祭壇の後ろにあるモザイクは13世紀のもの。コスマーティ様式という床のモザイクもお見逃しなく!
この教会はカトリックの中でも、ビザンティン様式の教会です。古代には近くに港があったので、テヴェレ川をのぼって移住してきたギリシア人が多く住んでいたエリアでした。そのために、もとはギリシア人のために作られた教会だったんです。
実は、この教会には、古代地下遺跡もあるんです。古代ローマよりも古い紀元前7世紀の神殿跡です。祭壇の左側に下に降りる階段があって、少しの寄付を払えば降りれます。私も降りましたが、古すぎてよくわからない、というのが本音です。
教会の近辺には古代ローマ遺跡がたくさん
教会の地下に紀元前7世紀の遺跡があるように、ここは大昔から発展していた地域です。ローマ建国の伝説の双子ロモロとレモは、この近くの洞窟に流れ着いて、狼に育てられたといわれます。
道路を挟んだ教会の前には、ギリシャ式の円形のヴェスタの神殿と四角いフォルトゥーナの神殿。どちらも紀元前のもの。
そして右手のほうには、4世紀のジアーノ門、3世紀のアルジェンターリのアーチ。
6世紀創建のサン・ジョルジョ・イン・ヴェラブロ教会。中に入ると静謐な雰囲気が、とても美しい好きな教会です。祭壇の後ろのフレスコ画もお見逃しなく。
真実の口の教会の裏側(?)には、古代の競技場チルコマッシモ。こちらも、紀元前7世紀。
歩いて3分くらいの範囲内に、1000年以上も昔のものがゴロゴロしている博物館のような地域です。
実はこの近くにファーマーズマーケットもあります。今度、ご紹介しますね。
真実の口への行き方
他の観光地と離れていて、地下鉄の駅からも離れているので、少しわかりにくい「真実の口」。
今から20年以上前に二人で旅行した私の両親は、「地図で見るとバチカンから近いと思って、バチカン博物館を見た後に歩いて行ったら、遠くて遠くて」なんて言ってました。二人とも若かった!と思っちゃうくらい遠いです。
私の両親のような人はいないと思いますが、行き方をご紹介します。
テルミニ駅からの行き方
バスで行く場合:170番Agricoltura行き「Bocca della Verità(ボッカ・デラ・ヴェリタ)」下車。
真ん前に停まります。※Bocca della Verità(ボッカ・デラ・ヴェリタ)は、真実の口のイタリア語です。
地下鉄で行く場合:地下鉄B線Circo Massimo(チルコ・マッシモ)」下車。
コロッセオの次の駅で降りて、駅から徒歩約10分。チルコマッシモという古代競技場跡の巨大な四角い広場に沿って、歩いて行くと、真実の口の前の大通りに出ます。
ヴェネツィア広場から行く場合
「ローマの休日」オードリーヘップバーンがグレゴリーペックの運転するバイクの後ろに乗って走るロータリーはここ。大きなバスの発着所があります。
徒歩で行く場合:約10分
ヴェネツィア広場にそびえるヴィットーリオ・エマヌエレ2世記念堂の右手に沿って、まっすぐ歩いて行くと、真実の口です。徒歩約10分。途中で左手にカンピドリオの丘、右手にコロッセオのようなマルケルス劇場を見ながら、サンタ・マリア・イン・コスメディアン教会の高い鐘楼を目指して歩きます。
バスで行く場合:83番Partigiani行き 「Bocca della Verità(ボッカ・デラ・ヴェリタ)」下車。
かなり古いですが、ムッソリーニの演説で有名なヴェネツィア宮殿(今はヴェネツィア博物館)のバルコニー(世界史が好きな人にはわかると思うのですが)の下にあるバス停です。
こちらも、真実の口の真ん前に停まります。
コロッセオから行く場合
徒歩で行く場合:約20分
コロッセオから、コスタンティヌス帝の凱旋門の横を通ってパラティーノの丘の入り口のあるサン・グレゴーリオ通り(Via di S.Gregorio)へ向かいます。ここをまっすぐ行くと、チルコ・マッシモへ着きます。そのあとは、チルコ・マッシモに沿ってボッカ・デッラ・ヴェリタ広場(Piazza della Bocca della Verità)へ向かって歩きます。ルイジ・ペトロセッリ通り(Via Luiji Petroselli)
バスで行く場合:バス81番(Risorgimento)
パラティーノの丘の入り口の手前にあるバス停S.Gregorioから乗ります。1つ目の停留所がチルコマッシモ、その次の停留所のCerchi/Bocca della Veritaか、3つ目の Petroselli で降ります。2つ目と3つ目のちょうど間くらいにあります。降りて徒歩3分くらい。
真実の口:観光情報
場所:Piazza della Bocca della Verità 18
営業時間:9時30分~17時50分
定休日:なし
入場料金:各自が自由に金額を寄付(1ユーロか2ユーロくらいでOK)
入場の方法:必ず、教会の前に行列ができているので、そのまま後ろに並びます。列の一番前に来たら、お賽銭箱のようなものがあるので、お金を好きな金額入れます。
※教会の係の人がいるので、シャッターを押してもらえます。
※写真を撮ったら、右手にあるドアから教会の中を通って、外に出ます。
※教会の出口の左側には、教会のお土産物屋さんがあります。ローマの休日グッズも並んでいるので、立ち寄ってみてください。奥の壁にある、8世紀のモザイクも必見。(修復前のサン・ピエトロ大聖堂にあったものです)
まとめ
せっかくだから行きたいけど、個人では行き方がわかりにくい、ので、これでもかというほど、行き方をしっかり説明しました。
ローマの休日の映画も、絶対にローマに来る前に見てきてほしいのに、見たことがない方もいらっしゃるので、あらすじを少しだけ説明しました。永遠の名作ですよ、絶対に!おばさんになった今でも、最後のシーンは思わず涙が・・・
世界中から、写真を撮るためだけに観光客が集まるのもわかります。いろんな肌の色の人たちが、同じ映画を見て、同じように写真を撮りたいっていうのは、なんだかとても面白いな、なんて、ちょっと嬉しくなります。
真実の口を別にしても、遺跡に取り囲まれたちょっと素敵なエリアです。ローマ観光の際には、このあたりもぜひゆっくり散策してみてくださいね。
チャオ。
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