ボンジョルノ。
落ち着くどころか、だんだんひどくなるイタリアのコロナウイルス騒動。
今日はカーニヴァルの最終日。一番盛り上がる「マルテディ・グラッソ(太った火曜日)」なのに、ヴェネツィアでも中止。人気のないサン・マルコ広場の映像がテレビに映ってました。
実は、今、トム・クルーズがヴェネツィアにいるんです。本当は、「ミッションインポッシブル」の映画の撮影で来ているのに、コロナウイルスが怖いので、ホテルの部屋に閉じこもっているそう。
2週間の撮影の予定だったのに、キャンセルになったそうです。
トム・クルーズのミッションが、コロナウイルスのせいでインポッシブルになった、なんて笑えない冗談ですね。
これからイタリアへの旅行を予定している方へ、イタリアの現状をお伝えします。
ヴェネト州とロンバルディア州は隔離
この数日で、コロナウイルス感染者が急増したロンバルディア州(州都ミラノ)とヴェネト州(州都ヴェネツィア)は、現在、隔離政策です。
まず、学校が閉鎖。美術館や教会も閉鎖。オペラの殿堂、ミラノのスカラ座まで閉鎖です。
そしてイタリア人にとって一番恐ろしいことに、週末はサッカーの試合まで中止しました。
今日行われる試合は、観客がいないまま行うというほんとうの非常事態。
ヴェネツィアのカーニバルが中止っていうのも、本当に悲しい出来事です。
おまけに昨日は、モーリシャス諸島がロンバルディアとヴェネト州から来た人の入国を認めなかったため、一度、モーリシャスまで着いたのに、飛行機から降りることなく約40人がそのままイタリアに帰ってくるという恐ろしい事態が起きました。
フランスも北イタリアから戻ってきた子供たちが学校へ来ることを禁じたり、ギリシャなどの国もイタリアへの修学旅行などを禁じたり、だんだん、隔離されています。
イギリスまで、北イタリアから来る人に自主的に隔離することを要請しています。14日間ですよ。仕事で行く人はどうするんでしょうね。
まあ今回のコロナウイルス騒動の発端となった町は、完全に封鎖されて出入りを禁じられているので、同じことと言えば同じこと。本当にすごいことになってきました。
今、ミラノやヴェネツィアは、ほとんど人通りも少なく寂しい状態です。
イタリアでどうしてこんなにコロナウイルス感染者が急増したの?
そもそも、どうしてこうなったのかというと、まず、ロンバルディア州の38歳の男性が熱をだして近くの病院へ行きました。
そこで、コロナウイルスであることが発覚したのですが、この時、病院でかなりの人にうつしたのでは、と言われています。
しかも、すごくアクティブな人で、サッカーをしたり、マラソンをしたり、赤十字の活動をしたりという会社員。
この2週間の間に、多くの人と一緒に過ごしたので、多くの人にうつしてしまったようなのです。
彼は、中国との接点は何もなかったのですが、中国から帰ってきたイタリア人と食事をしたことが判明。
ところが、その人はウイルス検査で陰性、という不思議な話。
とはいっても、家族や友人、100人以上いる会社の同僚など、いろんな人を検査して結果、大勢の人が感染していることが判明したのです。
今日になって、症状のない人まで検査したために陽性反応の人が激増したと公式に表明。フランスが300しか検査してないのに対して、イタリアは4000以上も検査しているとか。
これからはほかの国と同じように、熱などの症状があってから検査をすることにするそうです。
これまでの緊迫した対応から、元気で健康な人がウイルスに罹っても治るので安心するように、という対応に変わってきました。
それにしても、ロンバルディア、ヴェネトのほかにもエミリア・ロマーニャ州などの北部5州。今日はフィレンツェでも感染者が見つかったようだし、パレルモでも。ローマだって、いつ、北イタリアと同じようになってもおかしくない状態です。
日本人差別はどうなのか?
イタリアが中国からの飛行機の発着を禁止してから、約1か月たちました。
中国人の観光客がいなくなって、ホテル、レストランのほか、ブランドショップなども軒並み困っている、というのが現状です。
そのうえ、イタリアまでコロナウイルスが蔓延して、イタリア人の不満が高まっているのも事実です。
サッカーの試合まで中止したり、観客なしで試合したり、というあり得ない状況に、不安も高まっています。
だって、今日のインテルとユベントスの試合、観客を入れないことで、3,000,000ユーロ以上の損失だそうです。やっぱりサッカーですごくお金が動くんですね。
それにもかかわらず、こういう決定をしたなんて、まさにミッションインポッシブル。
そういうみんなの不満や不安が、中国人に向かっているのは確かです。こんなウイルス巻き散らかして、と。
そして当の中国人の観光客は、すごく減っていて、街を歩いているのは日本人ばかり。
日本人にすると自分は関係ないと思っていると思うのですが、日本もダイヤモンドプリンセス号の対応の悪さで、すっかりイメージダウンしています。
そしてイタリア、アメリカなどの元乗客が、自国に戻ってから、さらに軍の施設などでまだ14日間の隔離政策をしているにもかかわらず、日本人の元乗客は公共交通機関を使って、家に帰ったことにもびっくりです。
しかも今日もテレビで23人検査をせずに下船した人がいて、まだ連絡が取れていないなんて信じられない、と言われていました。
意外にもイタリア人のほうが危機管理能力がしっかりしていることに、驚いています。日本は島国だから、そこまで危機感が足りないのでしょうか・・・
そういう対応に対するいらだちのようなものもあるのではないでしょうか?
私はなるべく出歩かないようにしているので、個人的には差別はないですが、ローマの日本人の友人たちからは、嫌な目に遭ったというエピソードを聞くことが増えてきました。
うーん、残念ながら、差別はあります。
まとめ
というわけで、今のイタリアはウイルスを封じ込める、というミッションインポッシブルに躍起になっていています。
そしてまわりのヨーロッパ諸国からも、北イタリアの人に対する隔離政策が取られつつあります。
はっきり言って、平時とは言えない状態です。
今日もスーパーで店員が、「戦争中って、こんな感じだったのかな、って思うよね。」なんて言っていましたが、大げさに言うと緊急事態です。
でも、日本在住のイタリア人特派員が、
「世界中がウイルスに対して緊急事態なのに、日本だけが不思議なことにそうではない。中国はもちろん、韓国だって、必死になって封じ込めの対策を取っているのに、どうして日本だけこんなに落ち着いているんだろう。
こんな状況なのに、3月に行われるアジア最大の食の展示会フーデックスも開催するとまで言っている。本当に不思議だ」とも言っていました。
今のところイタリアの子供たちの学校の修学旅行、遠足が、イタリア国内外を含めて3月15日まですべて中止されました。たぶん、この時期までは少なくとも、バカンスモードは全くないです。
イタリアへの旅行を楽しむためには、もう少し、様子を見たほうが良いのではと思います。
特に、第三国の経由便でいらっしゃる場合、帰れなくなったりしたら大変ですよ!
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